人気ブログランキング | 話題のタグを見る

消え行く風景

東木戸のくすりやさんでお馴染みのKさんから「憩いの茶の間のWさんの親戚で、古い家と蔵が取り壊しになるので見に行くんだけど、一緒にどう?」と、お誘いの電話がかかってきたのは、先週の土曜日のこと。

おもしろ探検隊は、こんなふうに思い立った誰かによって突然召集編成され、その日の隊長はもちろん言いだしっぺがなると言うことで、今回のおもしろ探検隊の隊長は、Kさんです。
そして、参加隊員はこれまたお馴染みの お天気やさん ことTaiちゃんと、私かぐやの2人。

Kさんの運転する車で向かった先は、今泉の本国寺の東側の立派な蔵のある家。
それは、お寺をはさんで細く長く続く坂道を風情のあるものにしていました。
消え行く風景_b0093221_9523291.jpg
すでに取り壊しは始まっていて、母屋は柱や壁の骨組みと屋根の瓦を残すのみとなっていて、後から増築したと思われる洋風の建物がかろうじてその姿を留めていました。
消え行く風景_b0093221_9532286.jpg

私たちが到着するのとほぼ同時にお見えになったWさんの許可をいただき、解体中の建物の中を見せていただきました。
消え行く風景_b0093221_9513550.jpg
すべての戸がはずされ、外から差し込む光の中に
ぽつんと置かれたままの椅子の陰が妙に心に残りました。
消え行く風景_b0093221_9543458.jpg
竹組みだけになった壁や欄間など、最近の家ではなかなか見ることができないものでした。

そして、吉原には昔の建物がほとんど無い・・・と嘆いている私たちにとっては、何より残念に思ったのが100年は経っているであろう土蔵造りの蔵です。
消え行く風景_b0093221_9592470.jpg
一階は伊豆の松崎町辺りでよく見られるなまこ壁。
消え行く風景_b0093221_9564632.jpg
二階の重厚な観音開きの窓は見るものを圧倒します。
消え行く風景_b0093221_1015532.jpg
大事なものを守り続けた漆喰の壁と縦横に張られた太い梁。本当に解体してしまうには惜しい・・・時代に合わなくなったものが消えてゆくのは、時の常と言うものでしょうが、「何とか保存はできないものか。」「移築して町おこしに使えないか?」などと私たちは勝手なことを言いながら蔵の中を見せていただきましたが、保存には莫大な資金がかかるとのことで断念したそうです。
消え行く風景_b0093221_104059.jpg
長いこと蔵の中で眠り続けた長持ちの中身のほとんどは、人寄せや冠婚葬祭に使われたお膳や食器でした。大切なものはすでに他に移されてたのでしょう。それでも面白そうなものがいっぱい残っていました。
消え行く風景_b0093221_1051477.jpg
長持ちの蓋の裏に貼られた「鬼神」の「鬼」の字に角がありません。
悪い鬼にならないように角を取ってあるとか。。。「蔵の中のものも壊して処分してしまうから、気に入ったものがあればもって行ってもいいですよ。」というWさんの声に一瞬皆色めき立ち、おもしろ探検隊は、たちまちトレジャーハンターに変身!
(笑)
あ、でも個人的なお宝探しをしたわけではありませんよ!
頂いて帰った物のお話はまた後日します、お楽しみに^^v

それにしても、これから観光の町として生まれ変わろうとする富士市、何とかならなかったのかなぁ。。。
この土蔵について調べているうち、こちらの解体に携わっている方々のブログを発見しました。
プロの方から見た土蔵のお話はこちらから→現場監督日記
名前
URL
削除用パスワード
by h-kaguya | 2009-02-14 10:09 | ★おもしろ探検隊 | Trackback | Comments(0)

富士つけナポリタンのまち 富士市吉原で、まちづくり応援。


by かぐや