たまには(父子編)
宿題に「地域の歴史調べ」といった課題が出ているのだろう。
玄関の引き戸の影で、何やらひそひそと話し声が聞こえる。耳を澄ますと
「中に入って、きちんとここに来た目的を話して、教えてもらってきなさい。」
もう一方の声は小さくて聞き取れなかったけれど、どうやら父親と息子らしい。
なかなか入って来ないので、声をかけようとも思ったけれど待ってみた
きっと恥ずかしいのだろ。
しばらくすると、「こんにちは、吉原一中の生徒ですが吉原宿の歴史を調べて
います、中を見学させて下さい。」意を決したように入ってきたのは中学一年生
くらいの男の子でした。父親は外で待つつもりらしい・・・
宿場の歴史の話は鯛屋さんにお任せして、お父さんに声をかけてみる。
「懐かしい写真も展示して有りますので、ご一緒にいかがですか?」

ちょっと迷った様子だったけれど、結局二人で鯛屋さんの話を聞いたあと
「明治・大正・昭和」の写真を見ながら会話を弾ませていました。
「ありがとうございました。。。」
入ってくるときのぎこちなかった挨拶も、帰るときにはとても自然で素敵な笑顔で
こちらもつられて笑顔になる。
たまには息子と二人、こんな時間もいいですよね?おとうさん。。。

