2006年 10月 18日
切り火

近年ブームになっていると言われるウォーキング。
中でも、今年4月から6月にかけてNHKによる「街道てくてく旅~東海道53次完全踏破」と言う番組が放送されたせいも有ってか、「吉原本宿」を訪れるお客様の中にもそれらしいいでたちの方が増えています。
その旅のお客様が一番喜んでくださるのは、お見送りするときの 「切り火」 です。
時代劇などで見たことも有ると思いますが、火打石を使って出かける人に「浄火」を打ち掛けて災厄や邪気を祓う「おまじない」のようなものです。
「吉原本宿」がオープンする前から鯛屋さんが続けてきたものですが、詳しいことを知ろうとネットを使って調べた所、これまで行ってきた「切り火」の方法は 「火起し」の時の打ち方で、「切り火」は石と金具の使い方が逆だと言うことが分かりました。 さらに、今でも伝統を重んじる職人や落語家、芸術家、縁起をかつぐ芸能界、政治家、すもう部屋、花柳界、その他危険な業務に従事する人などは使用しているということでした。
早々に改めようと練習をしてみましたが、ちょっとしたコツをつかむまでなかなか火の粉が飛びませんでした。
翌日偶然にも「切り火」が実際に生活の中に有ると言う方が来場されました。
實 川 紀 (じつかわ おさむ)さん と言う京都の能楽師の方でした。
仕事の合間に東海道を歩いている事、旅をしていて思った事などいろいろ話してくださいました。
そして、慣れない手つきで切る「切り火」に、優しい笑顔を残して帰路につかれました。
旅人の道中の無事をお祈りして切る「切り火」吉原宿の心にしたいですね。
by h-kaguya
| 2006-10-18 01:42
| ★『吉原宿』旅は道連れ
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